この前のホームページファイルでは、「バッテリー電圧とソーラー発電システム」と題し、システム全体の各接続機器とバッテリー電圧の関係を解説いたしました。
特に、インバーター種類、メーカーによって保護回路の仕様値が異なり、A社のインバーターでは使用可能だったが、B社の高価なインバーターに変更したら、「バッテリーの使用量が減ってしまった気がする」という相談をよく受けることがあります。
この前のホームページファイルでは、「バッテリー電圧とソーラー発電システム」と題し、システム全体の各接続機器とバッテリー電圧の関係を解説いたしました。
特に、インバーター種類、メーカーによって保護回路の仕様値が異なり、A社のインバーターでは使用可能だったが、B社の高価なインバーターに変更したら、「バッテリーの使用量が減ってしまった気がする」という相談をよく受けることがあります。
当ページでは、意外と知られていないDC-ACインバーターとバッテリー電圧について解説してまいります。
まず、インバーターには、以下のような仕様値と保護回路を持っていることを理解してください。
「11.0V〜15.0V」などと表記されており、まさにこれがバッテリーの電圧範囲となります。11.0V以下ではAC100Vが遮断されるか、もしくはアラームが鳴る電圧ということになります。
逆に、15.0Vでは過電圧と判断し、この場合もAC出力を(保護回路が)遮断します。
「AC100V」とか「AC200V」と表記されます。
まさしく、出力電圧のことをいいます。
当店でも格安の正弦波インバーターを販売しておりますが、バッテリーの電圧降下、電圧上昇に伴い、若干ですが出力電圧が変化します。
出力安定化回路を持っているインバーターも存在しますが、非常に高価であり一般用途ではありません。
よくあるご相談で「バッテリー電圧が100Vちょうどで一定しないから故障ではないか」というものがありますが、一般の100V商用電源でも常に変化しており、特別に神経質になることではありません。
「85%〜90%」という表記になっています。
ということは、10%〜15%が損失ということになりますが、この数値は「負荷出力値」に対するものなので、無負荷でスイッチが入っている状態を指す「無負荷値電流値」(インバーターの自己消費電力)ではありません。
前記した、インバーターの自己消費電力を指し「<0.3A」(0.3A未満)と表記されています。
12V入力タイプであれば「4W程度」は常に消費していることになります。
「500W」という数値で表記されています。インバーターが出力できる「最大能力」とお考えください。
基本的にこの最大能力による連続稼動は30分程度が限界となります。
その時間以上連続動作させると発熱により保護回路が働き出力を遮断してしまいます。
日本製、中国製のインバーターにかかわらず、もし500Wの連続出力を必要とする場合には、最低でも2倍以上(1,000W〜1,500W)の製品をお選びください。
インバーターが最大出力として耐え得る、主にモーター駆動系の電気機器を対象とした仕様値となります。
「サージ1,000W」などと表記され、約0.3秒〜3秒の範囲で出力できる電力を言います。
「10.2V〜10.8V」と表記されています。この電圧範囲に入るとインバーターから「ピー音」が発せられます。
バッテリーを深放電させないための重要な保護回路です。
このときは、バッテリーを低電圧から守るためにインバーターのスイッチを切ってください。
電圧範囲があるのは「誤差」ではなく、皆様がお使いのバッテリーの劣化状況によって変化するためです。実際には、一意の電圧値で決められています。
「9.5V〜10.2V」などと表記されています。
上記の「ピー音」を無視したままこの電圧範囲に入ると、インバーターは出力を停止し遮断します。
大変重要な保護回路であり、チャージコントローラーは、この電圧値を保持できない場合電力の受給が受けられず、翌日晴天であっても充電が開始されません。
インバーターの開発製造各社では、「低電圧保護アラーム」「低電圧遮断保護回路」とともに、これから解説する「過充電保護回路」(過入力保護回路)の仕様値が異なるため、特に独立系のソーラー発電システムでは、大変に難しい問題と衝突することになるのです。
以下、それら主な問題点を列記してみましょう。
※上記仕様に関しましては、当店ではセット商品に含まれるインバーター、バッテリー(BMS)が特注品となっておりますので、相性問題が生じることはありません。
インバーターを保護するために、規定以上の電圧を検知して動作する遮断保護回路です。
電極を損傷させたバッテリーや、適正値を欠く高い電圧で充電されたバッテリーでは、よくこの過入力保護回路が働き、インバーターが動作しないという問題が発生します。
基本的に、一般的な鉛バッテリーでは、15Vを超える充電電圧は「タブー」であり、この電圧値を超える充電を行えば、当然にバッテリーの故障、損傷原因となります。
鉛バッテリーの最大充電電圧値は、コントローラーの充電仕様値を見れば明々白々のとおり、最大でも「14.8V」を超える数値を充電電圧としているバッテリーはありません。
よくある質問で、
「某有名メーカーの鉛シールドバッテリーは15V以上でないと満充電にならないと、あるホームページに掲載されている」
というものがありますが(内部抵抗が高いから)、それは真っ赤な「ウソ」であると理解してください。もちろん、真冬の寒冷地では、内部抵抗も若干高くなりますが、それでも15V未満となります。
以上のように、インバーターとバッテリー電圧との相互関係には、たいへんに微妙な問題点を多く孕んでおり、単に定格出力値やサージ電流値だけを確認すればいいと言う訳ではありません。
また、次のホームページファイルに任せますが、独立系のソーラー発電システムでは、バッテリーにチャージコントローラーが常時接続されておりますので、この点も十分に留意してインバーターを選択する必要があります。
元気なバッテリー、劣化したバッテリー、損傷を受けたバッテリー、常時深放電を繰り返しているバッテリー、大容量放電を余儀なくされているバッテリー、十分なフロート充電時間を与えられていないバッテリー、ほとんど放電されていないバッテリー、放置されたままのバッテリー・・・など、お客様の使用環境によって、インバーター、チャージコントローラーとの相関関係も大きく変化します。
バッテリーのことで疑問、ご質問等がございましたら、いつでもお気軽にご連絡ください。
(当店で取扱のない商品に関するご質問、議論を挑むような内容にはご返事しないこともあります。本当にお困りの方だけお願いします)
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